こんにちは。
借金完済主婦、たかちです。
時効援用は借金の支払い義務をなくせる便利な仕組み。
ですが、誰でも簡単に時効援用で借金をなくせると問題になってしまうため、基本的には時効援用は借金をした本人がやるべきものとなっています。
ただ、本人以外が本人に代わって時効援用できるケースも、例外として存在します。
今回は、本人以外に時効援用ができるかどうかを、
- 連帯保証人の場合
- 債務者が死亡した場合
- 家族に借金がある場合
といった、比較的多く見られるケースごとにわかりやすく解説していきたいと思います。
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時効援用は本人以外でもできる?わかりやすく解説してみる。
時効援用の手続きは、基本的には本人が行なうもの。
誰でも誰かの借金をなくす手続きができたら大変なことになりますから、これは当たり前ですよね。
ですが、民法(法律)では本人以外でも借金をした本人に変わって時効援用ができる例外的なケースも認められています。
民法で時効援用ができる人だと認められているのは、「当事者」です。
この当事者とは、時効援用をすることで利益を得られる人を指しています。
当事者(利益を得られる人)として認められたケースとしては、
- 債務者(借金をした本人)
- 保証人
- 連帯保証人
- 不動産を譲渡担保に提供した人
- 他人の借金のために不動産に抵当権を設定した人
- 詐害行為で利益を得る人(詐害行為の受益者)
などが挙げられます。
「時効援用をして利益を得られる人」の定義は旧民法では明確化されていなかったため、解釈は人それぞれでした。
ですが2020年4月1日に施行された新民法では、
「保証人、物上保証人、第三取得者その他権利 の消滅について正当な利益を有する者」
が時効援用できる、と書き加えられています。
これで本人以外の時効援用ができる人たちの定義がよりはっきりしました。
ただ「その他」という言葉も含まれているので、ここで挙げた人たち以外でも「当事者」「正当な利益を有する者」になり得る可能性があります。
このように借金をした本人以外でも、時効援用ができるケースがいくつかあるのです。
詐害行為の受益者についてわかりやすく解説。
上で出てきた「詐害行為(さがいこうい)の受益者(じゅえきしゃ)」はすぐには理解しづらいと思うので、少しわかりやすく解説していきますね。
まず、「詐害行為(さがいこうい)」とは何かというと、時効援用の場合で言うと、
債務者(お金を借りた側)が債権者(お金を貸した側)にとって不利益になるとわかっていながら、わざと自分の財産を減らして、債権者への返済を充分にできなくするという行為。
例を挙げると、債務者Aが債権者Bに借金を返済できなくなるとわかっていながら、債務者Aが持っている不動産を、債務者Aの妻Cに譲渡や贈与する、という感じです。
この場合、債権者Bは債務者Aの不動産を差し押さえなどすれば貸したお金を回収できる可能性がありますが、債務者Aがそれをさせないために(または別の目的でも返済できなくなるとわかっていつつ)別の人に財産を譲渡・贈与しているという事ですね。
ものすごくわかりやすく言ってしまうと、「わざと財産を減らして、借金の返済を邪魔する行為」という事。
そして「詐害行為の受益者」とは、この例で言うと債務者Aの財産を手に入れた妻Cとなります。
「受益」とは利益を得るということですから、債務者Aの詐害行為によって財産(利益)を得た妻Cが詐害行為の受益者となる訳ですね。
債務者本人に代わって詐害行為の受益者も時効援用をすることができると認められたケースもあるそうです。
※解釈が異なる場合があるため、詐害行為の受益者が時効援用をする場合は注意が必要です。
連帯保証人は本人の代わりに時効援用できる
すでにお伝えしましたが、債務者の連帯保証人は債務者本人の代わりに時効援用をすることができます。
連帯保証人は債務者が返済できない場合にその借金を返済する必要がありますから、債務者とほぼ同じ時効援用の権利を持っています。
借金で連帯保証人がいる場合、借金返済の義務は債務者本人と連帯保証人の両方でそれぞれの義務が発生します。
それぞれ、
- 債務者本人の返済義務 → 主債務
- 連帯保証人の返済義務 → 保証債務
このように呼ばれています。
保証債務は主債務のサブ的存在なため、主債務が時効援用でなくなれば保証債務もなくなります。
連帯保証人は自分の返済義務である保証債務を時効援用でなくすことができますが、前半で解説したように連帯保証人は当事者として認められているため、債務者本人の返済義務である主債務を時効援用することもできます。
連帯保証人は、
- 保証債務を時効援用→保証債務のみなくせる
- 主債務を時効援用→主債務をなくすとともに保証債務もなくせる
のどちらのパターンもでき、どちらにせよ連帯保証人の返済義務をなくすことが可能です。
ただし、連帯保証人が主債務を時効援用してなくしても、債務者本人の主債務はなくなりません。
この場合債務者本人の支払い義務をなくすには、債務者本人が自分で時効援用をしなければいけません。
債務者が死亡した場合、家族が時効援用できる?
よくある質問が、「債務者が死亡したら、家族が代わりに時効援用できるか」というもの。
これは相続をするかどうかによってできるかどうかが変わってきます。
債務者が死亡し、その財産を家族が相続した場合は借金も相続することになるため、相続した人が時効援用をすることができます。
逆に相続を放棄し、借金の支払い義務を負わなかった場合は、当然時効援用はできません。
家族の借金を家族が代理で時効援用できるか
次は、「家族の借金を家族が代わりに時効援用できるか」という疑問についてです。
これも意外と考える人が多いようで、質問される事が多いです。
上で挙げた「債務者が死亡した場合に家族が時効援用する」のとは違い、債務者は死亡しておらず、
- 返済の意志がなく督促を無視し続けている
- 借金から逃げるために行方不明になった
といったケースですね。
家族の借金を心配した家族(多くは子供の借金を心配する親)が代わりに時効援用を考えるというケースが特に多いようです。
こういったケースでは、家族が債務者本人の代わりに時効援用をすることはできません。
保証人になっていない家族は「当事者」として認められないため、借金の支払い義務をなくすためには本人が時効援用をするしかないのです。
いかがでしたか?
当事者として認められている人、または借金を相続した家族であれば、時効が成立していれば債務者本人の代わりに時効援用を行なうことが可能です。
ただ、本人でなければ時効が成立しているかどうかを正確に判断することはかなり難しいため、時効援用をするのであれば行政書士などの専門家に頼むのが一番です。
時効成立をじゃまされていない今のうちに、まずは無料相談を利用して、借金を無くせるかチェックしてもらいましょう。
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