消滅時効・時効援用の悩み・疑問

時効の中断(更新)になる?23のケースまとめ。口頭の承認はどうなる?わかりやすく解説。【時効援用】

こんにちは。
借金完済主婦、たかちです。

時効援用ができるかどうかを判断する際、時効の中断(更新)が起こっているかどうかを確認することは非常に重要です。

時効の中断(更新)があった場合消滅時効は成立しませんから、時効援用の失敗を防ぐためには時効の中断(更新)がない状態で行なわないといけないからです。

ですが、時効の中断(更新)とされるケースは数多くあり、「時効の完成猶予」のケースともごっちゃになるので判断するのも一苦労。

特に口頭での承認などは判断が難しいですよね…。

法律に詳しくない素人が判断すると失敗の元になりますから、時効が成立しているかどうかの判断は行政書士などの専門家に頼むのがベストです。

とは言っても、ざっくり目安だけでも知りたい!という人もいると思うので、今回は23のパターンを挙げて時効の中断(更新)になるかどうかをまとめていきたいと思います。

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※この記事は2020年4月1日より施行される改正後の民法にもとづいて作成しています。

旧民法では「時効の中断」と表現されていた内容は「時効の更新」、「時効の停止」と表現されていた内容は「時効の完成猶予」という表記も併用しています。

  • 時効の更新 → 時効カウントが完全に止まりリセットされること
  • 時効の完成猶予 → 時効の進行が一旦止まること(リセットはされない)

口頭での承認は時効の中断(更新)?完成猶予?23のケースをまとめてみる。【時効援用】

では早速、23のケースで時効の中断(更新)になるのか、それとも時効の完成猶予になるのかという点をまとめていきたいと思います。

債務の承認

債務の承認とは、借金(債務)をしていることを認める(承認)行為のこと。

借金があることを承認することで時効の中断(更新)となり、時効は完全に止まりリセットされます。

債務の承認にあたるとされる主なケースは以下の通りです。

  • 元本の一部だけを支払った
  • 利息だけを支払った
  • 利息の一部だけを支払った
  • 支払いを待ってもらいたい旨の手紙を書いて送った
  • 口頭で支払いを待ってもらいたい旨を伝えた

最後の「口頭で支払いを待ってもらいたい旨を伝えた」も時効の中断(更新)となります。

よくあるのが催促の電話に出てしまって「支払いを待って欲しい」と言ってしまうケース。

電話だとしても口頭での承認とみなされるため、注意が必要です。

口頭での承認があったことを後で証明することは難しいとされているため、「とりあえず返済するって言っておけばいいだろう」と軽く考えてしまいがちですが、債権者(お金を貸した側)がどんな手を使ってくるかはわかりません。

口頭での承認という行為自体が時効の中断(更新)になることは事実なので、時効を成立させたいのであれば債権者と話すことも避けた方がいいでしょう。

第三者による返済と承認

第三者とは、債務者(借金をした本人)ではない別の人のこと。

ほとんどのケースでは家族であることが多いですが、本人ではない別の人が借金を承認(上で解説したように借金を認めること)や返済した場合はどうなるかも見ていきましょう。

  • 家族が債務者に頼まれて代理で返済した → 債務の承認となり時効は中断(更新)される
  • 家族が債務者に頼まれていないけれど返済していた → 債務の承認にはならず時効は中断(更新)されない
  • 家族が自分を債務者だと勘違いして返済していた → 承認にはならず時効は中断(更新)されない

ここではわかりやすいように「家族」と書きましたが、家族以外の第三者でも同じです(保証人・連帯保証人は除く)。

債務者の意志で返済しているかどうかが時効の中断(更新)となるかどうかの判断目安になりますね。

協議

「協議」とは、相談や話し合いという意味。

2020年4月からの新民法では、借金(支払い)についての協議をするとお互いが合意している場合、時効の完成が猶予される(いったん時効の進行が停止する)ことになりました。

わかりやすく言いかえると、「借金をどうするか今後話し合うことをお互いが了承している」という状態ですね。

今すぐ借金をどうするかは決められないけど、どうするか考えていくつもりはある、という状態です。

ただし、お互いが話し合うつもりだと約束するだけでは、具体的にいつ支払いになるのかいつまでも決まらなくなる恐れがあるため、協議をすることが書面で約束されていなければ時効の完成は猶予されません。

時効の完成が猶予される期間は、

  1. 協議することをお互い合意した時から1年経過するまで
  2. お互いが合意の上で協議を行なう期間(1年未満の期間)
  3. どちらか一方が相手に対して協議の続行を拒否する旨の通知が書面でされ、通知された時から6ヶ月を経過するまで

の3パターンのうち、一番早い時までの期間となっています。

繰り返しになりますが、協議することで時効の完成猶予となるケースは、書面でその旨が約束されている場合に限ります。

口頭での約束のみだと証拠として残らないため、協議しても時効の完成猶予とはなりません。

メールでも書面と同じ効力があると認められているため、メールでのやりとりで協議することを合意しても時効の完成猶予となります。

※これは新民法から新しくできた項目のため、2020年3月31日以前に協議を行なう旨の合意が書面で約束されても時効猶予とはなりません

訴訟

訴訟とは、裁判所に依頼して法的に問題を判断・解決してもらうこと。

いわゆる「裁判」を指します。

訴訟(裁判)になった場合、時効の完成猶予・中断(更新)のいずれかになるケースが多いです。

様々なケースでどうなるかは以下の通りです。

  • 訴訟を提起される(裁判を起こされる) → 時効の完成猶予となる
  • 裁判の結果、判決が確定する → 時効の中断(更新)になり、新たな時効期間は10年となる
  • 債務不存在確認訴訟を起こし、債権者側が応訴する → 時効の完成猶予になる可能性が高い
  • 債務不存在確認訴訟を起こしたものの、債権者側の主張が認められ請求が棄却される → 時効の中断(更新・リセット)となる可能性が高い
  • 訴訟が提起されたが取り下げられた → 時効の完成猶予となったまま、取り下げの時点から6ヶ月経過するまでの間は時効は完成しない
  • 訴訟が提起されたが却下された → 時効の完成猶予となったまま、却下された時点から6ヶ月経過するまでの間は時効は完成しない

調停

調停とは双方で話し合いをして結論を出すために、裁判所が用意した話し合いの場のこと。

裁判所が間に入って話し合いをすすめられるため結論を出しやすく、出た結論には法的強制力があります。

調停になった場合、時効がどうなるかは以下の通りです。

  • 調停が起こされる → 時効の完成が猶予される
  • 調停が成立する → 時効が中断(更新・リセット)され、時効は新たに10年となる
  • 調停が不成立で終わる → 調停終了から6ヶ月間は時効の完成が猶予される
  • 調停が取り下げられる → 取り下げた時点から6ヶ月間は時効の完成が猶予される

支払督促(しはらいとくそく)

支払督促とは、債権者(お金を貸した側)が裁判所に依頼して債務者(お金を借りた側)に返済を命令することです。

支払督促は起こされてすぐに支払わなければいけない訳ではなく、返済すべき借金などは思い当たらないという場合には異議を申し立てることもできます。

2週間異議申し立てがなかった場合には「返済すべき借金があることを債務者が認めている」とみなされ、そこで支払い義務が確定します(支払督促の確定)。

支払督促があった場合の時効は以下のようになります。

  • 支払督促の申立(申請)がされる → 時効の完成が猶予される
  • 支払督促が確定する → 時効が中断(更新)され、時効は新たに10年となる(裁判の判決と同じ効力があるため)
  • 支払督促に異議をとなえる(督促異議) → 支払督促は失効するが、訴えがあったとみなされて訴訟に移行するため、そのまま時効は完成猶予状態が続く

仮差押え

仮差押え(かりさしおさえ)とは、債権者が借金の回収をするために、債務者に財産や権利を勝手に処分させないように制限をかけておく手続きのこと。

債権者が裁判所に依頼して行うため、法的な強制力があります。

仮差押さえをされた場合、仮差押え手続きが終了してから6ヶ月間は時効の完成が猶予されます。

旧民法では仮差押えされると時効の中断(更新)となっていましたが、2020年4月からの新民法では時効の完成猶予にとどまることになります。

【まとめ】時効の中断(更新)を判断するのはプロに任せるべき

ここまでを読んでみていかがでしたか?

時効の中断(更新)になるパターンと、時効の完成猶予になるパターンと色々とあって混乱した!という人も多いのではないでしょうか。

時効の中断(更新)になるケースはこれで全てではないですし、これらはあくまでも目安。

状況によって結論は変わりますから、正確に判断するなら行政書士などの専門家に依頼するのが一番です。

時効援用を成功させるためにも、まずは無料相談で時効が成立しているかどうかチェックしてもらうのがおすすめですよ。

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